原晋監督の考え方に通ずるものがある、中小企業の経営者に必要な『T』の考え方

 

「林先生の初耳学(現:日曜日の初耳学)」というテレビ番組ご存知でしょうか。

この番組には、悩みを抱える若者に名を馳せた著名人が講師として成功のヒントをレクチャーするコーナーがあり、以前の放送で、青山学院大学駅伝部の原晋監督が講師として授業を行っていました。

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講義の中で、原監督は人生のヒントとしてTというアルファベットを用いた説明をされていました。

『T』を縦軸と横軸に分解して考えます。

縦軸は専門性横軸は専門外の知識と見立てて、専門分野を深く掘り下げると共に、自分の専門と関係がない分野の知識にも触れ合うことで横軸が広がり、自分のやりたいことが見付かったり広い視野を持てると仰っていました。

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原監督は中学高校大学と陸上部に所属し、社会人になっても陸上の実業団選手として中国電力に入社されています。

競技引退後に中国電力の営業マンに転身したのですが、これまでの陸上一筋だった人生から営業マンとなり、営業でも結果を出すべく、色々な人と会って話をしたり、読書や勉強を積み重ね、少しずつ陸上以外の知見を広げ、横軸を育てていかれたそうです。

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その結果、社内で自社商品を最も売り上げ「伝説の営業マン」と呼ばれるようになったそうです!

現在は指導者として再び陸上競技に携わっていますが、原監督の言葉や組織作りには、経営に携わる人も勉強になるようなヒントがたくさんあるなと感じることが多々あります。

こうしたTの縦軸と横軸が原監督の視野の広い考え方の一つになっているのだなと感じます。

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中小企業の経営でも、先述の原監督の考え方と近い「T型社長」という考え方があります。

私たちが経営を学んでいる社長の専門学校では、中小企業の経営者は「T型社長」を目指すべきであると述べています。

T型社長とは…専門性が深く伸びる様子を縦軸知見が広がる様子を横軸に見立て、専門性に加え幅広い知見を持つ様子をTで表しています。

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一流の料理の技術を持ち、味も一流のレストランであるにも関わらず儲からない・超難関資格を持つ優秀な設計技術者であるにも関わらず経営が赤字であるなど、経営は専門性だけでは上手くいかない場合も多いです。

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経営が上手くいく条件は、技術が良いこと・経営力が優れていることです。

創業初期段階の中小企業は、スキル・専門性が企業の価値に直結しますが、長く事業が続くための経営を行うには、専門性に加え、経営の知見が必要です。

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人材育成、採用、生産性向上など自社の課題と思う分野を勉強してみる・他の業界の方と情報交換をするなど、少しずつ知見を広げていただければ良いかと思います。

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